ボーダフォンは,あらかじめ指定した携帯電話機への通話と電子メールを月額定額制とする新サービス「LOVE定額」を2005年11月1日に導入する(PDF形式の発表資料)。

 LOVE定額の対象として指定できる携帯電話機は,ボーダフォンの端末1台。料金プランに応じた月額基本料に加えて月額315円を支払うことで,音声通話が掛け放題,電子メールが送受信し放題となる。指定先へのテレビ電話も2006年5月までは利用し放題,それ以降は料金プランに応じた通話料の半額となる。

 移動体通信における音声通話の定額制としては,PHS事業者のウィルコムが2005年5月に「ウィルコム定額プラン」という名称で導入済み。同サービスでは月額2900円の定額料金を支払うことで,ウィルコムのPHS端末ユーザー相互間の音声通話が掛け放題になる(Tech-On! 関連記事)。

 サービス開始の発表会においてボーダフォン 執行役副社長 コンシューマー事業統括本部長の野副正行氏は「(NTTドコモやKDDIといった)競合の携帯電話事業者に先駆けて音声通話の定額制サービスを導入することで,2005年の年末商戦をリードしていきたい」と意気込みを語った。競合他社の追随により値下げ競争の消耗戦を誘発するのではとの懸念については,「決して消耗戦ではない。LOVE定額により携帯電話を利用する機会が増えることで,他のサービスに対しても良い影響を及ぼし,全体として利用機会の底上げにつながるだろう」(野副氏)とした。

 野副氏は,1契約当たりの月間平均収入(ARPU)の減少については大きく変化することはないとの見通しを示したが,一方でLOVE定額による新規契約者の獲得効果については「社内では試算しているが,公開しない」と述べるにとどまった。