Sun社のWebサイトにGoogle Desktopのダウンロードのバーナーが既に登場
Sun社のWebサイトにGoogle Desktopのダウンロードのバーナーが既に登場
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 米Google Inc.と米Sun Microsystems, Inc.(Sun社)の両社は,戦略的な協力を行うことで合意した(発表資料)。

 当初の協力内容は,広範なものではない。Sun社のWebサイトでJava実行環境「Java Runtime Environment(JRE)」のダウンロードを行う際,Google社が開発したWebブラウザ拡張ツール「Google Toolbar」を同時にダウンロードする選択肢を用意することなどに限られる。しかし今後,さらに拡大する方向で検討しているという。例えばSun社の技術を両社で使っていくケースとしては,JREや,オープンソースのオフィス・ソフトウエア「OpenOffice.org」が候補に挙がっている。

 Sun社のWebサイトでGoogle Toolbarを提供するサービスは,2005年10月末までに開始する予定。ここからダウンロードされたGoogle Toolbarのインストール数に応じて,Google社はSun社にカネを支払うという。ただし,その金額の設定などは未公開である。

これからの可能性を強調

 今回の報道発表は,Sun社のCEOであるScott McNeally氏とGoogle社のCEOのEric Schmidt氏がシリコンバレーにあるコンピュータ博物館「Computer History Museum」で行った。具体的な内容にはとぼしかったが,Google社とSun社はこの合意による今後の可能性をしきりに強調していた。McNeally氏は「今後,我々が一緒にできることはたくさんある。Google社はOpen Office FormatやOpenOffice,Open Solarisの研究開発に協力する重要なパートナーになる可能性がある」とした。

 Open Office Formatは,Sun社などが参加する仕様策定団体OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)が開発したXMLベースの文書フォーマットである。OpenSolarisは,Solaris OSのオープンソース・バージョンである。Schmidt氏は「我々はこれからオープンな標準とオープンソースを幅広く支持していく。それの実現に向けて今後,Sun社といろいろな形で協力していくつもりだ」とした。

半年の交渉が実る

 Sun社のWeb Properties担当Vice PresidentであるCurtis Sasaki氏によると,両社が今回の合意に至るまで6カ月を要した。「ほかの新しい関係を結ぶのと同様,最初に合意に至るまでは多大な苦労が必要だ。しかし,それはもう済んだ。これから両社で新しいプロジェクトを立ち上げるのはグッと簡単となる。Google社とSun社のエンジニア・チームは,既に頻繁に会っている」(Sasaki氏)。

 Google社のSchmidt氏は以前,Sun社のCTOを務めていた。Javaの開発を先導した人物である。このほかにもSun社からは,今回の発表の重要さを強調するためか,重要人物が発表会場にどっと集まっていた。Google社が2005年9月にVice President兼Chief Internet Evangelistとして迎えた「インターネットの父親」と呼ばれるVint Cerf氏,Sun社のChief Architect兼Network Systems担当Senior Vice PresidentのAndy Bechtolsheim氏, Sun社のPresident兼Chief Operating OfficerであるJonathan Schwartz氏といった面々である。

 Google社のSchmidt氏は,Google Toolbarのダウンロードという協力内容のほか,Google社がSun社の製品購入を進めるとした。さらにGoogle社が運営する電子メール・サービス「Gmail」とSun社のOpenOfficeメール・クライアントの使い勝手などに「差」が生じないようにすることなどを検討するという。