図1 ブースの壁に邦画タイトルが並ぶ
図1 ブースの壁に邦画タイトルが並ぶ
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図2 洋画タイトルも揃ってきた
図2 洋画タイトルも揃ってきた
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 「戦国自衛隊1549」「妖怪大戦争」「攻殻機動隊」・・・ブースの壁に,邦画のポスターがずらりと並ぶ(図1)。HD DVDの規格推進団体であるHD DVD Promotion Groupは,2005年末から2006年春にかけて商品化される予定のパッケージ・ソフトを展示した。HD DVD陣営の東芝は2005年末にHD DVDプレーヤを発売する計画で,NECもパソコン向けのHD DVD再生装置のサンプル出荷を開始している(Tech-On!関連記事)。これに合わせて「年末から年始にかけ,順次HD DVDのパッケージ・メディアを出荷する予定」(説明員)という。邦画だけではなく「アレキサンダー」「アビエイター」などの洋画も登場する(図2)。

 HD DVDの立ち上げに重要な役割を担いそうなのが, DVDとHD DVDそれぞれの記録層を積層した,いわゆるハイブリッド媒体である。「各コンテンツ事業者はHD DVDにコンテンツを供給する上で,ハイブリッド媒体の採用に大変関心を持っている」(同団体の説明員)。この背景には,現在DVD販売店で,パッケージ・ソフトを陳列する棚を巡る激しい競争が繰り広げられている事情がある。現状では,プレーヤの絶対数が少ないHD DVDソフト向けに棚スペースを確保するのは困難を極める。1つの作品をDVDとHD DVD双方の規格で再生できるハイブリッド媒体であれば,「HD DVDも再生できる」という付加価値をつけたDVDソフトとして販売できる。HD DVDソフトが立ち向かう最初の困難は,競合規格との争いではなく,既存のDVDソフトとの置き場所の争いになりそうだ。