ワープロ・ソフト「一太郎」の機能をめぐり,ジャストシステム松下電器産業が争っている特許権侵害訴訟の控訴審判決が,2005年9月30日に知的財産高等裁判所特別部(大合議部)であった。

 同高裁は控訴審の原告であるジャストシステムの訴えを認め,ジャストシステム側に特許権侵害があったとする一審判決を取り消す逆転判決を言い渡した。

 今回の裁判では,ジャストシステムが開発・発売するワープロ・ソフト「一太郎」と画像処理ソフト「花子」が備える「バルーン・ヘルプ機能」について,松下電器産業の持つ特許を侵害するか否かが争われた。第一審の東京地方裁判所は2005年2月1日,「ジャストシステムが松下電器産業の特許を侵害している」とする松下電器産業の主張を認め一太郎と花子の販売禁止などを命じる判決を出していた(Tech-On! 関連記事1)。ジャストシステムはこれを不服とし,2月8日に東京高等裁判所へ控訴した(Tech-On! 関連記事2)。

 その後4月1日に知的財産高等裁判所が設立され,東京高裁の知的財産関連部門が移行したことを受け,今回の裁判の管轄も知財高裁へ移管された。知財高裁は5月9日に,今回の裁判を通常の3人による審理から,5人の裁判官による特別部(大合議部)による審理へ移す決定をした。今回の判決は,知財高裁特別部により出された初の判決となる。

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