三洋電機は,構造改革の進捗状況を発表する中で,同社の半導体事業についてコメントした。今回,2005年度(2005年4月~2006年3月)の業績予想を4月27日の発表時より下方修正したが,その大きな要因として新潟県中越地震の被災などによる半導体事業の業績悪化があった。

 今回発表した同社全体の営業利益の修正幅は,連結中間期で前回の+90億円から-50億円へ-140億円,連結通期で前回の+650億円から+180億円の-470億円となる。このうち,半導体事業の業績悪化の影響は,中間期で-125億円,通期で-215億円を占めるという。
 この10月で地震被災から1年経過することになり,「地震から1年以内に水面より上に出るようにしたい」(同社社長兼COOの井植敏雅氏)と胸の内を明かす。映像・音響分野のミックスド・シグナル製品を中心とする得意分野に集中することによって,「たとえ事業規模が2700~2800億円から2000億円に縮小したとしても生き残っていく」(同氏)と決意を表した。なお,今後強化する三つのコア事業(Tech-On!記事)の中に半導体事業はなかったが,「各コア事業の中で半導体の強みを生かしていく」(同氏)とした。