図1 今回開発した「自己ホモダイン光干渉計」を用いて,16値光変調信号を測定する例。
図1 今回開発した「自己ホモダイン光干渉計」を用いて,16値光変調信号を測定する例。
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図2 図1の計測結果の3次元表示
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 日立製作所は,光信号の振幅や位相の時間変化を精密に計測する技術を開発した(発表資料)。これで,電気信号の変調技術に比べて開発が遅れていた,光の位相変調技術が飛躍的に進展することが期待できる。同社は今回の技術を,スコットランドのグラスゴーで開催中の光通信技術の国際会議「ECOC 2005」(2005年9月26日~29日)で発表する。

 従来,光の位相情報の測定は大きな課題だった。光の強度変化はフォトダイオードで,また偏光状態は,偏光板を利用すれば容易に知ることができる。ところが,位相情報だけは受光側で特別な工夫をしなければ知ることができず,それも連続的な時間変化は追うことができなかったという。

 新技術は,光源から出た光を2つに分けて干渉させる「ホモダイン光干渉計」を利用することで,光電界の同相成分と直交成分に分けて同時に測定するもの(図1)。比較的単純な方法で,光の位相情報を連続的にとらえることができるようになった。

 同社は今回,測定した光の位相を,同相成分軸,直交成分軸,時間軸の3次元で表示する技術も開発した(Tech-On!の関連記事)。同社が以前開発した,伝送速度40Gビット/秒を実現する「16値光多値変調技術」を今回の技術で測定してみせた(図2)。