右からPalm社のColligan氏,Microsoft社のGates氏,Verison Wireless社のStrigl氏。
右からPalm社のColligan氏,Microsoft社のGates氏,Verison Wireless社のStrigl氏。
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発表会場で見せた端末。実動作可能な端末も数台持ち込んでいた。
発表会場で見せた端末。実動作可能な端末も数台持ち込んでいた。
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Palm社への採用の意義を熱く語るGates氏。
Palm社への採用の意義を熱く語るGates氏。
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 米Palm,Inc.は,以前からウワサされていたWindows OS搭載のスマートフォンを,2006年初頭にも発売することを正式発表した(ニュースリリース )。Palm社が米Microsoft Corp.からWindows Mobileのライセンスを受け,同社のスマートフォン「Treo」シリーズの次機種に搭載する。まずは米国市場においてVerison Wireless社から発売される予定だが,2006年後半には他の携帯電話事業者から発売される可能性もある。米国時間の2005年9月26日に,Palm社がMicrosoft社およびVerison Wireless社と共同開催した記者発表会で明らかにした。2005年9月27日からカリフォルニア州サンフランシスコで開催される携帯電話機関連の展示会「CTIA Wireless I.T. & Entertainment 2005」に時期を合わせたもの。

 発表会に登場したPalm社 President兼CEOのEd Colligan氏は「Palm OSに加えてWindows OS対応の機種が出ることで,消費者の幅広いニーズに対応できる」とし,Windowsへの対応は消費者の選択肢を増やすための措置であることを強調した。Verison Wireless社のPresident兼CEOであるDenny Strigl氏も「Palm OS版のTreoとWindows OS版のTreoを両方サポートしていく」としている。壇上で中央のイスに腰掛けたMicrosoft社のChairman兼Chief Software ArchitectであるBill Gates氏は,「Windows MobileがTreoに搭載されることで,企業ユーザーにとってさらに利便性の高い端末を実現できる」と,主にビジネスマン層への訴求を狙っていることを述べた。

 今回の機種はWindows Mobile 5.0を利用する。Palm社の端末として初めてCDMA2000 1xEV-DOの高速ネットワークに対応する。基地局から端末への下り方向において平均400k~700kビット/秒の速度でデータを受信できる。このほか米Intel Corp.の携帯電話機用チップセットを利用することを明らかにした。ただし詳細データについては「改めて発表する」(Palm社)とし,言及を避けた。同社の担当者によればBluetoothを搭載するもようだが,無線LAN機能は内蔵せず,SDIOによる拡張アダプタで対応するという。「ハードウエア構成は,現行のTreo650とほとんど同じ」(Palm社)。発表会場では試作機を使い,Outlook MobileやOffice Mobileのソフトの動作を実演した。

 米国以外での発売については,今のところ未定である。なおPalm社によれば2006年中頃には,GSM/GPRS対応の機種も発売するという。