YOZANは,「ボイススポットフォン」などの一部サービスを除くPHSサービスを2005年11月30日に終了する(PDF形式の発表資料)。PHSサービスから撤退する方針は2005年2月に発表していたが,終了時期などをこのほど明らかにした(Tech-On!関連記事1同2同3)。

 同社は2002年8月に東京通信ネットワーク(略称:TTNet,現・パワードコム)のPHS事業を買収,同市場に参入したが,経営は思わしくなく,同事業での累損は100億円に上った。無線通信規格「WiMAX」を利用する公衆無線LANサービスを2005年12月から開始するメドが立ったことから,PHS設備をWiMAX規格に更新し,PHS事業から撤退することを決めた。

 同社のPHSサービスの契約件数は2005年8月末時点で5万7200件である。ボーダフォンの携帯電話機「V603T」「V402SH」「802N」「702NK」への移行であれば,端末代金と移行手数料を無料にするという措置が用意されている。

 今後は,残存サービスである「ボイススポットフォン」「テレメトリングサービス」「児童見守りサービス」について,契約者への対応や代替サービスの準備などを進め,2007年3月までにはPHS事業全般から撤退する。

 終了するPHS事業部門の2004年度の経営成績は売上高が45億5700万円,営業損失が43億5100万円となっていた。同社は今後,WiMAXサービスで業績の改善を図り,2006年度(2007年3月期)には黒字化する見通しとしている。