ソニーは,2005年度~2007年度の中期経営方針を発表した(発表資料)。2007年度に連結売上高8兆円以上,営業利益率は5%(エレクトロニクス事業は4%)を目指す。なお,2004年度実績は連結売上高が7兆1596億円,営業利益率は約1.6%だった。

 今後,注力するのは,エレクトロニクス,ゲーム,エンターテインメントの3事業。特にHDTV画質の映像製品やモバイル製品,およびこれらの製品の差異化につながる先端半導体やデバイスの開発・製品化に経営資源を集中的に投入する。加えて,「Cell」プロセサ関連の新技術や新製品を開発する組織をCEO直轄組織として新設する。

 一方で,2007年度末までに2000億円のコスト削減を図る。不採算事業の整理や製造拠点の統廃合を進め,全世界で従業員1万人を削減する計画だ。また,保有する不動産や株式などを2007年度末までに1200億円分,売却するとしている。

 同社はこの構造改革費用を織り込んで,2005年度決算の見通しを下方修正した。営業損益は前回予測の300億円の黒字から,200億円の赤字の予測に修正した。期初には880億円としていた改革費用が1400億円に膨らんだためである。当期純損益も同様に,100億円の黒字から100億円の赤字へ予測を引き下げた。なお,売上高は前回予測通りの7兆2500億円としている。

※続報記事は以下でご覧になれます。
◎ソニーの経営方針,「2007年度に売上高8兆円,利益率5%」
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