図 富士通のUHF帯無線タグのデモ。商品を入れたケース群をゲートを通して,商品の情報を一度に得る,というものである。
図 富士通のUHF帯無線タグのデモ。商品を入れたケース群をゲートを通して,商品の情報を一度に得る,というものである。
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 UHF機器出展社協議会および日本自動認識システム協会(JAISA) RFID部会は,「第7回自動認識総合展(2005年9月14日~16日,東京ビッグサイト)」で,計14社がUHF帯の周波数に対応したRFIDタグ(無線タグ)対応の機器を出展したことを明らかにした。その中で,富士通,日本インフォメーションシステム(JIS),パナソニック コミュニケーションズ,米Symbol Technologies,Inc.などが,日本のUHF帯無線タグ用周波数帯である952MHz~954MHzに対応した無線タグ・システムの実演を行った。例えば,買い物カゴに入れた10個前後の商品をレジで一括して読み取るデモや,ダンボール箱に入れた40枚前後のワイシャツを識別するデモなどを実演してみせた。

 今年は,UHF帯無線タグにとって「RFID元年」(JAISA 研究開発センター RFID担当 主任研究員の大坪則和氏)とも言えるほど,節目の年になっている。日本で2005年4月に電波法が改正されて,出力1W(等価等方輻射電力では4W)の「高出力型」が利用可能になった。加えて,統一的な国際標準仕様となる「ISO18000-6C(EPC global Class1 Generation 2:Gen2)」が2006年2月前後に固まる。この結果,これまで国際標準や業界標準が乱立していた状況が解消する。新しい標準仕様に向けて,日本だけでなく欧米でもUHF帯無線タグの新製品がこれから続々登場する見通しである。

 「既にGen2対応のIC『MONZA』を日米でサンプル出荷済み。2005年10月には本格的に量産する」とするのは,米Impinj,Inc.。同社は従来から8m以上の読み取り距離を持つUHF帯無線タグ「Zuma RFID」を開発していた(Tech-On!の関連記事)。「Gen2対応で,書き込み距離も8m以上になった」(日本代理店のアムスク)。オランダPhilips Semiconductors,Inc.も「2005年10月にGen2対応のUHF帯無線タグIC『UCODE EPC G2』の受注を始める」(同社)とする。

 UHF帯無線タグ機器を出展していた日本のメーカーもほとんどが,近い将来にGen2に対応する計画である。既に,三菱電機は2005年9月7日にGen2対応のリーダー/ライダーを開発した(Tech-On!の関連記事)。