図1 任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ ミクロ」
図1 任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ ミクロ」
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図2 厚さは17.2mm。ゲーム・カートリッジを挿入するスロットが大きなスペースを占めているため,部品を詰め込める領域は見た目以上に小さい。
図2 厚さは17.2mm。ゲーム・カートリッジを挿入するスロットが大きなスペースを占めているため,部品を詰め込める領域は見た目以上に小さい。
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図3 特殊なドライバーで筐体を外しにかかる。
図3 特殊なドライバーで筐体を外しにかかる。
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 「これだけ小さくできて,1万2000円は安いのでは——」

 もう一部ではおなじみになりました日経エレクトロニクス分解班。今回手にしたのは,任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ ミクロ」である(図1)。発売日前に本体の入手に成功した分解班は,さっそく携帯機器に詳しい技術者2人を招き,ゲームボーイ ミクロの分析を開始した。

 本体を手にとった技術者がまず興味を示したのが,ゲームボーイ ミクロのコスト構造だった。

 ゲームボーイ ミクロは,任天堂の「ゲームボーイ アドバンス(GBA)」対応のゲーム・ソフトを動作させることができる小型ゲーム機である。外形寸法は50.0mm×101.0mm×17.2mm,重さは約80gで,体積も重さも前機種の約半分とした(図2)。色やデザインが異なる5種類の前面パネルを選択できる。中でも初代「ファミリーコンピュータ」(ファミコン)のゲーム・パッドと同じデザインである「ファミコンバージョン」の人気は高く「発売日に十分な数量が確保できるかどうか」(ゲーム・ショップの店員)との声も聞かれるほどだ。

 以前,分解班がニンテンドーDSを分析したときは(Tech-On!関連記事),DSの筐体に使われていたY字型ネジを開けられるドライバーをあらかじめ準備していなかったという失態を演じてしまい,マイナス・ドライバーで筐体をこじあけざるを得なかった。今回はそんなことがないように,万全の体制で望んだ(図3)。

 「あれ,ここのネジだけプラス・ドライバーで開けられそうだ」

 筐体側面のプラス・ネジを外すと,まず最初に姿を見せたのはLiイオン2次電池だった。電池を簡単に交換できるよう,この部分だけ通常のプラス・ネジを採用したようだ。

 本格的な分解は,筐体の裏面からだ。まず外装を取り外し,カートリッジ・スロットの周りの部品を外すと,早速メイン・ボードのウラ面がお目見えした。

 「ん?何でメイン・ボードが2つに分かれているんだろう」

後編に続く