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 ANAは国内線一般席(エコノミークラス)用に新シートを開発し,2005年10月より順次置き換えを始める。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)と光触媒を採用したのが特徴。従来はアルミニウム合金を使っていた構造部材をCFRP製とし,強さや安全性を犠牲にせずに軽量化した。その結果,燃料の消費量を「ボーイング777-200」の場合,年にドラム缶200本程度減らした。また。強さがあって構造材を細くできることを生かし,機内誌を入れるポケットの位置を上げた。この結果,シートピッチを変えずに,ひざ回りのスペースが従来より約5cm拡がった。

 シートのカバーに,抗菌・消臭作用のある「光触媒」を加工することにより清潔感を保つ。光触媒を航空機の座席に使うのは世界で初めて。なお,光触媒は認可申請の準備中で,導入は10月より遅れる可能性がある。またクッションは従来のクッションの100倍の通気性を持つ炭素繊維製とした。リサイクルできるのも特徴。新シートは国際線エコノミークラスへの導入も今後検討していく。