米Sun Microsystems, Inc.(Sun社)はオープンソースによるDRM(digital rights management)技術の実現を目指すプロジェクト「Open Media Commons」を発表した(発表資料)。このプロジェクトでは,Sun社が開発を進める「Project DReaM(DRM/everywhere available)」をベースにして,ロイヤリティが不要でかつ互換性があるDRM技術の実用化を目指す。

 Open Media Commonsプロジェクトは,Sun社が開発したDRMアーキテクチャ「DRM-OPERA」や,ビデオ・サーバ技術「Sun Streaming Server」,ビデオ・ストリーム管理技術「Java Stream Assembly」で構成する。これらは,同社が策定してOpen Source Initiative(OSI)から承認されたオープンソース・ライセンスCommon Development and Distribution License(CDDL)を適用する。このDRM技術は,コンテンツを再生する権利を,再生する機器ごとではなく,ユーザー毎に設定できるようにすることを目指している。例えば1週間再生できる権利を購入すると,ユーザーはどの機器を使っても1週間は再生できるようにする。

オープンソースでもセキュリティ強度は保てる

 DRM技術では米InterTrust Technologies Corp.などの企業が強力な特許を保有する。こうした状況で,オープンソースのDRM技術が実現できるのかという疑問がある。これに対してSun社のGlenn Edens氏(Communications and Media担当Senior Vice President兼Sun Microsystems LaboratoriesのDirector)は,Sun社が保有する特許群が存在するといい,さらに他社の特許についてはワークアラウンド(回避)が可能だと主張する。「特許の最も重要なのは,そのクレーム(請求項)。クレームの内容をしっかりと把握すれば,ワークアラウンド(回避)は可能だ」(Edens氏)。

 オープンソースによるDRMに対しては,セキュリティの強度にも疑問がでる。これについてEdens氏は,既にAES(advanced encryption standard)暗号技術のオープンソース版が存在することを例に挙げて「コミュニティでは多数の技術者が調査してセキュリティ・ホールを直したソースコードを開発することが普通だ」と指摘する。