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 東京地方裁判所が,エヌエイチジェイ(NHJ)役員による破産申し立てを認め,その手続きを始めた。2005年8月29日付(号外 第195号)の官報で明らかになった(PDF形式の官報)。

 NHJが東京地裁に提出した破産申立書によると,同社は2005年8月8日時点で弁済期日が到来した債務を約3億8000万円抱えていたが,現預金は約700万しかなく資金調達の見込みも立たなかった。こうした状況に陥ったのは,第1に米国法人で多量の返品が発生したことで同法人に対する売掛金などを回収できなくなったため。第2は,香港法人に約1億3000万円貸し付けていたが,販売不振により回収できなくなったからである。従業員は8月5日に全員解雇した。

 粛々と破産手続きが進む一方で,ある元従業員は再起に向けて動き始めている。以下に本誌に寄せたコメントの要旨を紹介する。「NHJのビジネス・モデルは,付加価値を高められるサプライ・チェーンを通して,一定の仕様と品質を満たした製品を提供するというものでした。キャッシュ・フローの管理がまずかったことは事実です。しかし,多数の顧客から支持されたビジネス・モデルだったと考えています。今後は,ユニクロのような成功への努力を怠ったことを反省しつつ,舞台を移して半導体メーカーやEMS企業,そしてデザイン・ハウスをパートナーとして,新しいプラットフォームを作りたいと考えています」。

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