壇上のMaloney氏
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WiMAXを使って多地点との接続を実演
WiMAXを使って多地点との接続を実演
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 高速の無線インターネット・アクセスを実現する技術として米Intel Corp.が期待する無線規格「WiMAX」。今回のIDFでも,WiMAX関連の実演を多数行うなど,相変わらずの注力ぶりをアピールした。

 同社Mobility GroupのGeneral ManagerであるSean M.Maloney氏の基調講演では,WiMAXを使って中国やオランダ,カナダなど多地点とライブ接続し,会場と短いやりとりをする実演を行った。Intel社は2004年9月に開催したIDFでWiMAX用ベースバンドLSIを初公開し,その後2005年3月のIDFでは実際に動作させる実演を行なっていた。今回は,世界各地で行なわれているWiMAXのフィールド実験の現場などと接続し,実際にインターネット回線を通じて動画像をやりとりできることを示した。ただし通信回線の帯域の理由からか,遅延が大きく発生した。やりとりのタイミングが遅れる場面も多く,会場が爆笑の渦に包まれる瞬間もあった。また,WiMAXの機能をいつの時点でノート・パソコン向けプラットフォームなどに組み込んでいくかについては明らかにしていない。

 さらにMaloney氏の基調講演では,無線LAN(Wi-Fi)やWiMAXを使って地域全体に無線インターネット・アクセスを提供する「ワイヤレス・コミュニティ」作りを目指す自治体や事業体が,米国に200カ所以上あることや,韓国でモバイル版WiMAX「WiBro」のサービスが2006年4月に立ち上がる予定であることを引き合いに出していた。

 このほか「無線通信だけでは十分にコンテンツを伝送できない場合もある」(Maloney氏)とし,携帯機器向けの放送技術にも関心を寄せていることを明らかにしていた。会場では,携帯機器向け地上デジタル放送規格「DVB-H」の実験放送波を受信する実演も行っていた。