日立製作所と三菱重工業は,空調冷凍事業の合弁会社設立に関する基本合意を解消すると,2005年8月4日に発表した。海外支社の調整や販売網の整理・統合に時間がかかるので,合弁会社を設立するのではなく協業体制を築く方が,提携による効果を早く得られると判断した。特に業務用空調機に関して,開発や調達といった分野で協業する。

 前述の基本合意とは,日立製作所の子会社である日立空調システム(本社東京)と,三菱重工の冷熱事業本部(車両用空調機事業を除く)を整理・統合した上で,日立製作所と三菱重工を株主とする合弁会社を設立するというもの。両社は,2004年6月に契約を交わし,統合作業を進めていた。

 開発分野の協業としては,まずパッケージエアコンの室内機を共同開発の対象とし,さらにその対象を室外機や主要機器へと広げていく予定。開発コストの低減と開発期間の短縮を狙う。

 調達分野の協業としては,両社が使用している素材や汎用部品を集中購買することで,コスト削減や品質向上を図る。海外を含めた新規サプライヤーを共同で開拓することなども視野に入れる。

 これ以外にも,冷凍機,冷凍輸送,コンビニエンス・ストアなどフランチャイズ・チェーン(FC)加盟店向けの省エネルギシステムといった商品での協業も検討する。