音楽小売大手のタワーレコードと音楽配信を手掛ける米Napster, LLCは,日本市場での音楽配信に向けて合弁企業を設立することで合意した(PDF形式の発表資料)。新会社「ナップスタージャパン」(予定)の資本金は4億9000万円。出資比率はタワーレコードが68.5%,Napster社が31.5%とする。設立は2005年10月,音楽配信サービスの開始は2006年4月を予定している。代表取締役兼CEOには,タワーレコードの代表取締役社長である伏谷博之氏が兼任の形で就任する。

 Napster社は,2003年11月に音楽配信サービスを開始,現在は米国,英国,カナダの3カ国で事業を展開しており,まもなくドイツでもサービスを開始する予定。会員数は合計で約50万人,楽曲のストリーミング,ダウンロードの合計回数は約5億回に達している。同社は,タワーレコードと提携する理由について「タワーレコードは音楽小売のトップ企業としてのノウハウを持っており,日本の音楽ファンに豊かな音楽コンテンツを提供していきたいという目標を共有できる」としている。

 一方,タワーレコードは,提携先にNapster社を選んだ理由を,「1曲単位の従量制ダウンロード・サービスに加えて,月々の会費を支払うことで好きなだけ楽曲がダウンロードできる定額サービスを提供でき,ユーザーにとってメリットが高い」と説明する。音楽配信事業参入にあたって,タワーレコードでは,各店頭や自社で運営するWWWサイト「@TOWER.JP」,店頭配布のフリー・マガジンなどとの連動を行い,サービスの充実や音楽市場の拡大を図る。