図1◎ブリヂストンのラジアルタイヤ「R288」
図1◎ブリヂストンのラジアルタイヤ「R288」
[画像のクリックで拡大表示]
図2◎ブリヂストンのラジアルタイヤ「M858」
図2◎ブリヂストンのラジアルタイヤ「M858」
[画像のクリックで拡大表示]

 ブリヂストンは2005年7月28日,中国の大手タイヤメーカーである山東成山輪胎股イ分(注:「イ分」は「人」偏に「分」)有限公司と争っていた意匠権侵害訴訟において和解が成立したと発表した。ブリヂストンは,同社が製造するトラック・バス用のラジアルタイヤに酷似したタイヤを山東成山が製造していると主張して同社を提訴。その後,中国の裁判所の和解調停により,両社が和解に応じた。和解の内容は「ブリヂストン側の完全勝利」だった。

 今回ブリヂストンが,山東成山から意匠権を侵害されていると訴えたのは,トラック・バス用のラジアルタイヤ「R288」と「M858」の2製品(図1,2)。これらにおいてブリヂストンは,「路面に接する部分のトレッドパターンと側面のデザインとを含めた,タイヤの外観全体のデザインについて意匠特許権を中国で取得済み」(同社)だった。この意匠権は,高い耐久性能や走行性能を支えるものだという。

 最終的な和解の内容は,(1)山東成山は,対象となるタイヤの生産・販売を停止する(2)山東成山は,対象となるタイヤの金型を改造する。これらの金型の改造に関しては,ブリヂストンが本当に改造したかどうかを確認することについて山東成山は協力する──というものだった。この和解内容からみて,中国の裁判所は,山東成山のタイヤがブリヂストンのタイヤのニセモノであると判断したと見られる。