ドイツInfineon Technologies AGは2005会計年度第3四半期(2005年4~6月)に2億4000万ユーロの純損失を計上した(発表資料の日本語訳)。売上高は対前年同期比16%減の16億600万ユーロである。

 メモリ部門では出荷量は伸びたものの価格下落が響き,売上高は対前年同期比19%減の6億5900万ユーロとなった。EBIT損益は1億2500万ユーロの赤字である。赤字について同社は,ビット単価が直前の四半期から約30%低下したこと,300mmウエハー対応の生産施設の立ち上げ経費を計上したことが主因と説明する。同社はメモリ価格について,第4四半期(2005年7~9月)には比較的安定すると予測している。根拠として,システム当たりのメモリ搭載量の増加傾向やメモリ製品の需要増,一部メモリ・メーカーにおけるDRAM生産設備のフラッシュEEPROM転用による生産調整の動きなどを挙げる。

 通信部門の売上高はベースバンド・デバイスの受注減により,対前年同期比25%減の3億1400万ユーロとなった。EBIT損失は8800万ユーロで,コスト削減施策や研究開発費の縮小などにより,直前四半期に比べると赤字幅が縮小している。

 「自動車/産業&マルチ市場部門」の売上高は対前年同期比7%減の6億2500万ユーロ,EBITは同69%減の2300万ユーロだった。減収減益の理由はセキュリティ&チップカードIC事業で市場からの強い低価格化の要求があったためと同社は説明している。

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