地図上に店舗を表示
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 「検索サイトは当初,キーワードを入れると結果が出る辞書的な役割を担ってきた。しかし今後は,日常生活で役立つ情報を引き出す手段へと変わっていく。「goo」も行動支援メディアに転換していきたい」(NTTレゾナント)。ポータル・サイト「goo」を提供するNTTレゾナントは,駅など生活の起点を中心とした地域情報提供サービスを2005年7月26日から始める。同社はこれまでも「goo地域」で地域情報を提供してきたが,今回ユーザーに対する情報提供の手法や広告モデルを一新した。

スクロール型の地図を導入

 ユーザーに対するサービス提供は大きく2つを改善した。1つはスクロール型の地図を導入し,ユーザーのマウス操作で滑らかに表示地域を移動できるようにしたこと。スクロールに合わせて,表示する店舗などを動的に変える。これまではユーザーが地域区分を選択する手法を採っており,地域が異なると情報を検索し直す必要があった。

 もう1つの改善点は「宿泊」「グルメ」「買い物」などのタブを押すだけで,地図で表示中の地域にある各ジャンルの店舗の位置を素早く切り替えられるようにしたこと。例えば宿泊するホテルの近くにあるレストランを素早く把握できるなどの利点がある。「グーグルが提供する「Googleローカル」など現行のローカル・サーチは目的指向で,例えばホテルとレストランは別に検索する必要がある」(同社)。

 なお,登録情報は全国約150カ所の駅や市街地を中心に1km四方を網羅しており,登録総数は当初約30万件。拠点数は2005年度内に1000まで拡大する予定という。今後は任意の地域を検索して地図を表示したり,店舗情報を重ね合わせたりできるようにする。

 広告も地域連動型にした。ユーザーが検索した地域に合わせて近隣店舗などの広告を表示し,地図のスクロールに合わせて動的に変える。各地の企業や店舗の広告を取り込むことで2008年度に10億円,2010年度に30億円の広告収入を見込む。

衛星などの写真活用や「マンナビ」も前向きに検討

 Google社の「Google Earth」や米Microsoft Corp.の「MSN Virtual Earth」など,ここにきて衛星写真を用いた地域情報の検索サービスが相次いでいる(Tech-On!関連記事1同関連記事2)。NTTレゾナントも,こうした高精細な実写真を検索サービスに取り込むことを前向きに検討している。「街の雰囲気や地下鉄の出口から出たときの建物の様子などは写真データを活用した方がユーザーにとって直感的に把握しやすい。一方で道路などは地図を使った方がわかりやすい。両者を組み合わせることは地域情報を提供する観点で有用だと感じている」(同社 ポータル事業本部 メディア事業部 担当部長の小澤英昭氏)。

 このほか,GPSを利用した歩行者用ナビゲーションとの連携も視野に入れているという。まずは今回の地域情報サービスを携帯電話機で実現できるよう,開発を進めている(Tech-On!関連記事)。