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 これまで,日本メーカーが世界に先駆けて製品を投入してきた第3世代携帯電話(3G)端末。しかしその先行者利益は,今後も維持できるかどうか微妙な情勢だ。韓国メーカーや欧米メーカーの追い上げに加え,台湾メーカーも3G端末の量産出荷を始めた。

 台湾BenQ Corp.は,台湾で自社開発したW-CDMA/GSMのデュアル・モード端末「S80」を発売した(発表資料:繁体字中国語)。折りたたみ型の筐体を採用しながら,容積が97cm3と「3G端末としては世界最小」であることを特徴とする。台湾の通信事業者である台湾電信向けに出荷する。

 容量840mAhのLiイオン2次電池を内蔵する。連続待ち受け時間は250時間,連続通話時間は1.5時間~3時間。通信可能な周波数帯は3種類で,900MHz/1.8GHz帯のGSM,2.1GHz帯のW-CDMAに対応する。メインのディスプレイは,2インチ型で26万色表示のTFT液晶パネルを用いた。このほか,130万画素と10万画素のカメラ・モジュール2個,MP3/AACフォーマットの音楽再生回路,miniSDカード対応スロットなどを備える。重さは110g。

 同社は2005年9月30日付で独Siemens AGの携帯電話機部門を買収し,3G端末を含むSiemensブランドの携帯電話機の製造・販売を継承する予定である。これに先駆け自社開発の3G端末を発表することで,台湾メーカーの技術開発力の高さをアピールした格好だ。