図1 英CSR社が2005年春に製造した,同社初の無線LAN用LSIとその送受信モジュール。
図1 英CSR社が2005年春に製造した,同社初の無線LAN用LSIとその送受信モジュール。
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 英CSR社は,今後約2年間の製品ロードマップを明らかにした。それによれば,2005年秋にも新しいBluetoothの規格「Bluetooth 2.1」に沿ったチップセット「BlueCore5」を出荷する。さらに2006年末までには,物理層とMAC層にUWB(ultra wideband)を利用する規格「Bluetooth ver.3.0」に準拠したチップセット「BlueCore6」をサンプル出荷する。

 BlueCore5は,0.13μmルールのCMOS技術で製造する。現時点での最新のチップセット「BlueCore4」で利用しているのは0.18μmルールのCMOS技術だった。現在,策定中のBluetooth 2.1では,(1)Bluetoothの通信機器同士を認証する手続きである「pairing(ペアリング)」を簡略化する仕様,(2)通信相手の間で利用できるプロファイルをより早く認識する仕様,などが新たに盛り込まれる見込みである。Bluetooth 2.1の仕様が固まるのは,2005年9月~10月になる見通しだが,CSR社は「規格策定と同時平行でチップセットの開発が進んでいる」(同社日本法人 ジェネラル マネージャーの富永創樹氏)という。

 その次のBlueCore6では,プロファイルは現行のBluetoothのものを使う一方で,MAC層以下は従来のBluetoothの無線インタフェースとUWBの両方を使い分けるアーキテクチャを採用する。UWBとしてどのような仕様を使うかはCSR社は明らかにしなかったが,「開発部隊はすでに仕様の選択にメドを付けている」(同氏)。

 UWB版Bluetoothの仕様については明らかになっていない部分が多いが「最大伝送速度が200Mビット/秒になることはほぼ決まった」(同氏)という。

※『日経エレクトロニクス』 2005年7月18日号では,100Mビット/秒超の高速伝送が可能な次世代無線LAN技術や各種のUWBについて詳しく解説する記事を掲載しています(関連記事