図1 媒体の回転に伴う気流でディスクを固定する
図1 媒体の回転に伴う気流でディスクを固定する
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図2 極薄のディスクが3つのスタビライザで固定された
図2 極薄のディスクが3つのスタビライザで固定された
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図3 Blu-ray Disc1倍速相当の記録再生を実現
図3 Blu-ray Disc1倍速相当の記録再生を実現
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 指でつまむと「ぐにっ」と曲がる。--厚さ0.08mmほどのPETフィルムに記録膜などを積層した書き換え型ディスクをリコーが試作した。Blu-ray Discと同等の光学系を用いて,1倍速相当の記録再生を行った。

 リコーが極薄ディスクを開発したのは,レンズのNA(開口数)を高めて高密度化させるのに,フレキシブルに曲げられるディスクの方が都合がいいと考えたのが発端だという。

 一般にレンズのNAを高めると,ディスクの光軸方向のブレに対するマージンが狭まる。従来の発想では,媒体の材質をより堅くしてブレを防いだり,ブレに対する光ヘッドの追従性を高めたりといった対策を採る。リコーはここで発想を転換した。媒体をあえて柔らかくして,媒体の回転に伴う空気の流れを利用して媒体の位置を固定することを思いついたのである。具体的には,3つのスタビライザを媒体の上に設置することで,スタビライザと媒体の間に流れる気流で媒体を固定する。この方法を使うと,従来と比べて媒体の光軸方向のブレが従来の1/10ほどに収まるという。