Si太陽電池を搭載した携帯電話機
Si太陽電池を搭載した携帯電話機
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図2 NEC製の「FOMA N900iS」をベースにした試作機
図2 NEC製の「FOMA N900iS」をベースにした試作機
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ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「SO506iC」をベースにした試作機
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「SO506iC」をベースにした試作機
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 2005年7月13日から始まった「ワイヤレスジャパン2005」でNTTドコモは筐体にSi太陽電池を搭載した携帯電話機を展示した(図1)。2004年12月に三菱電機が発売した「Music PORTER」をベースにした試作機である。Si太陽電池は三洋電機が既に市販しているものを使った。今回の展示品について具体的な製品化の時期は未定といい,製品スペックについては明らかにしていない。
 
 課題はSi太陽電池の発電能力が低いこと。太陽光で発電しながら通話したり電子メールを送受信したりできない。「携帯電話機の充電池が空の場合,フル充電するのに恐らく数日要してしまう」(説明員)。またSi太陽電池は表面が黒いため,端末のデザインを損なう恐れがあったり,筐体表面が平面でないと使えなかったりする。こうした欠点を解決する太陽電池としてNTTドコモは有機材料を使う,色素増感型太陽電池にも期待しているという。色素増感型太陽電池は自由に着色できるだけでなく,曲面にも張り付けられるという利点があるためだ。

環境に優しい機器をうたう

 環境配慮型の携帯電話機として植物性樹脂を使用した試作機を2機種展示した。NEC製の「FOMA N900iS」とソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「SO506iC」をベースにしたもので,既に愛知万博で同社の社員など関係者が実際に使用している(Tech-On!関連記事)。NTTドコモによるとこの2機種に使われている植物性樹脂は,耐衝撃性や耐熱性など携帯電話機として使用する上でほぼ問題ない水準に達しているという。同社は現在,NECやソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズのほかの端末メーカーにも小物性樹脂の採用を呼び掛けているとする。「2006年度中には商用化に結び付けたい。いずれはすべての機種に植物性樹脂を使用する」(NTTドコモ)予定だ。