図 今回の実験に使うPCカード端末
図 今回の実験に使うPCカード端末
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 東北大学 電気通信研究所附属21世紀情報通信研究開発センターと日本テレコム,フラリオンテクノロジーズの3社は,移動体通信技術の「Flash-OFDM」を使った「ワイヤレス・ブロードバンド・アクセス実験『ワイドスポット』」を2005年7月中に開始する。この方式の無線基地局と既存の無線LANであるIEEE802.11a/b/gの無線基地局とのローミングなども検証するという。

 今回の実験に利用する周波数帯は,日本テレコムが2005年7月1日に実験局免許を取得した上り1.9GHz帯,下り2.1GHz帯の帯域。伝送速度は,上り最大900kビット/秒,下り最大3.2Mビット/秒である。仙台市の東北大学 電気通信研究所周辺で実験する。基地局のセル半径は1.5kmを想定する,という。端末には,同方式を搭載したPCカードを利用する()。

 実験用の変調方式にFlash-OFDMを採用した理由は,同方式が「遅延が50ms以下と小さく,ハンドオーバーが高速にできる」とうたっていることによる。実験では,実験用周波数帯を用いた場合の無線伝搬特性やインターネットへの接続性,ビデオ伝送やIP電話などのサービス性,そして無線LANとのローミングを検証するという。

 Flash-OFDMは,米Flarion Technologies,Inc.が開発した無線通信方式。2005年7月には,無線を使ったデータ通信サービスの方式として,フィンランド政府がEV-DOなどとの比較審査の上に採用した(Tech-On!の関連記事)。次いで,クロアチアでも採用が決まっている。