NTTドコモがケータイ向け燃料電池を改良,クロスオーバーを半減して通話時間を3倍に
NTTドコモと富士通研究所は共同で,通話時間が約6時間と長い携帯電話機向けの外付け燃料電池を開発した。メタノール水溶液の濃度を従来の約30%から99%以上に引き上げたことで,長時間駆動を可能にした。2005年度末までに技術開発を完了する。2005年7月13日に始まる「ワイヤレスジャパン2005」と7月14日からの「富士通フォーラム2005」で展示する。
両社は,2004年9月末に携帯電話機向けの外付け燃料電池を発表済みである(Tech-On!関連記事)。そのときのメタノール水溶液の濃度は約30%だった。今回はメタノール水溶液の濃度を99%以上に高めることで,2004年の発表時と同じ18mlのメタノール水溶液を使った場合の通話時間を3倍の6時間に延ばした。燃料電池からの3.6Vの出力電圧をDC-DCコンバータで5.6Vに昇圧して携帯電話機に出力する。発電容量は最大で9Wh。FOMA端末の内蔵電池を3回充電できる。
カートリッジに入れた濃度99%以上のメタノール水溶液に,反応後に生じる水を加えて濃度を約40%程度に薄めた後,MEA(膜電極接合体)へ供給する。メタノールが反応することなく電解質膜を通過してしまう「クロスオーバー」と呼ぶ現象を半分にできる電解質膜を開発したことで,メタノール水溶液の高濃度化が可能になった。電解質膜は前回と同じ炭化水素系材料を用いているが,今回は膜の組成などを改良してクロスオーバーを減らした。電解質膜は富士通研究所が独自で開発した膜と,材料メーカーと共同で開発した膜があり,どちらもクロスオーバーを半減できているという。
外形寸法は150mm×56mm×19mmで,質量は190gである。質量は2004年の試作品と同じだが,厚さが3mmほど増している。これは,反応後に発生する水を外部に放出することなく回収できる機構を組み込んだためという。従来は外部に水蒸気を排出していたため,長時間置いておくと机に水滴が付いていた。水滴で書類が濡れる可能性もあるため「実用化する上で解決すべき課題の1つとなっていた」(富士通研究所)。













