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米最高裁,ファイル共有システムの技術開発元に著作権侵害の責任を認める

  • Phil Keys=シリコンバレー支局
  • 2005/06/29 06:49
  • 1/1ページ

 米国の最高裁判所(United States Supreme Court)は2005年6月27日,ピア・ツー・ピア技術を用いたファイル共有システムの開発者に対し,著作権侵害に対する責任を認める判決を下した。米国の大手映画会社であるMetro-Goldwyn-Mayer Studio Inc.が西インド連邦ネビス島Grokster, Ltd.らを訴えていた件(MGM対Grokster訴訟)についての判決である。

 同訴訟では,2004年8月に米国連邦第9巡回控訴裁判所(United States Court of Appeals for the Ninth Circuit)が「ファイル共有システムはそれ自体が違法ではなく,合法的な利用方法があるので問題はない」との認識に基づき,Grokster社の責任を問わない判決を下していた。今回,最高裁はシステムの開発と普及にあたって著作権侵害を助長した証拠があるとし,控訴裁判所の判決を満場一致で覆した(PDF形式の裁判所資料)。その上で,第9巡回控訴裁判所に再審を命令した。なお,今回の判決で対象になるのはGrokster社だけではなく,「Morpheus」を開発した米StreamCast Networks, Inc.(StreamCast社)や「KaZaA」を開発したバヌアツ共和国Sharman Networks社も含まれる。

 この判決を受け,米国の映画業界団体であるMovie Picture Association of America, Inc.(MPAA)は強気の声明を発表した。「最高裁判所は,盗難に基づくビジネスが栄えることは許さないという明確なメッセージを世に放った」というものだ(Word形式の文書ファイル)。一方,StreamCast社を擁護する立場をとる米国の非営利団体であるElectronic Frontier Foundation(EFF)は「StreamCast社は,たとえ今回の判決があったとしても最終的には勝つ。その自信がある」と主張し,一歩も譲らない姿勢を崩していない(発表資料)。

「ベータマックス訴訟とは違う」

 MGM対Grokster訴訟をめぐる議論の中で1つの焦点になったのは,これが「Sony Corp. of America対Universal City Studios, Inc.訴訟」,いわゆるベータマックス訴訟の判決見直しにつながるかどうかだった。ベータマックス訴訟は,ビデオ・カセットを使う家庭用録画機が合法的かを争うものだった。実際,第9巡回控訴裁判所の判決は,ベータマックス訴訟における判例を使いながらGrokster社などを合法的と認めていた。

 しかし今回の最高裁判所の判決では,ソニーがベータマックス対応のビデオ・カセット録画機を世に出した際には,著作権侵害を目的として販売活動を推進していたわけではないと指摘した。これに対し,Grokster社などは,米Napster社の後継になろうと著作権損害の推進活動を行った証拠があるとし,基本的にベータマックス判決とは一緒に議論できないと判断した。
(Phil Keys=シリコンバレー支局)

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