Contois社のApple社に対する訴状からの図。上は868特許に記載された図で,下はiTunesがApple社の「iTunes Music Store」にアクセス中のスクリーン・ショット。
Contois社のApple社に対する訴状からの図。上は868特許に記載された図で,下はiTunesがApple社の「iTunes Music Store」にアクセス中のスクリーン・ショット。
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 米Apple Computer, Inc.の音楽ジュークボックス・ソフトウエア「iTunes」が,特許侵害の疑いで米国バーモント州連邦地方裁判所で訴えられた。訴訟を起こしたのは,楽器などの小売店を経営する米Contois Music Technology, LLC(同社のWWWサイト)である。Contois社は,iTunesのユーザ・インタフェースが,同社が保有する米国特許 5,864,868「Computer Control System and User Interface for Media Playing Devices」(868特許)を大幅に侵害していると主張する。仮に,裁判所がContois社の主張を認めると,他社のメディア管理ソフトウエアも対象になる可能性が高い。Contois社はApple社が特許侵害をやめることと,損害賠償を要求している。

 訴状によると,Contois社のOwner PartnerであるDavid Contois氏はコンピュータに接続する音楽関連の機器のユーザー・インタフェースを開発して,1995年の「COMDEX」や1996年の楽器の展示会「NAMM」で公開した。1996年にContois社は特許を申請し, 1999年1月に868特許として発行された。2004年9月に同社は,Apple社に868特許の存在を告知する文書を送ったという。

ビデオでも対象


 868特許は,ユーザがコンピュータのユーザー・インタフェースを使って,データベースに格納したメディア・ファイルにアクセスしたり,選択したメディア・ファイルをコンピュータに繋いだ再生機器で再生する方法に関するもの。インターネットからアクセスできるメディア・データベースも対象にする。868特許は主に音楽媒体を想定したものだが,「この発明はミュージック・ビデオや映画を含む,全てのメディア・ファイルを扱うマルチメディア・データベースを提供することがもう一つの特徴」(特許の文章)という。ユーザがジャンルやアーティスト名,特定の楽曲などを選択するユーザー・インタフェースも対象にする。