UWB対応の液晶テレビ。手前がメディア・サーバ機
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基調講演で実演
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基調講演の様子
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 米Freescale Semiconductor,Inc.は,同社のUWB用無線チップセットが,中国の大手家電メーカーである海爾集団公司(Haier Group,以下ハイアール)の液晶テレビに採用されたことを明らかにした(発表資料)。ハイアール社はこの液晶テレビを,2005年後半から中国国内で,2006年には米国でも発売する予定。UWBに対応したテレビ受像機が発売されるのは今回が初めて。HDDレコーダやDVDプレーヤなどとの無線接続を想定する。

 Freescale社が2005年6月20日から米フロリダ州オーランドで開催中の「Freescale Technology Forum 2005」で明らかにしたもの。同社CEOのMichael Mayer氏の基調講演で,ハイアール社が開発した37インチ型液晶テレビを見せた。1080iの解像度のHDTV表示に対応し,コンポーネント端子とDVI端子を備える。搭載するUWBの最大データ伝送速度は114Mビット/秒あることから,HDTV動画を複数チャンネル同時に無線伝送できる。会場では,20Mビット/秒のHDTV動画ストリームを,メディア・サーバ機からUWBで無線伝送した。ハイアール社は液晶テレビとメディア・サーバ機を合わせて,まず中国市場に2005年第4四半期に投入する。米国では2006年から発売する予定。

 利用するUWBチップセットは,Freescale社の「XS110」。最大データ伝送速度が114Mビット/秒の3チップ構成のチップセットで,消費電力は動作時の最大値で750mW。UWBの伝送方式には,Freescale社や米Motorola,Inc.が推進するDS-UWB方式を利用する。MAC仕様にはIEEE802.15.3規格に準拠した方式を採用する。利用する周波数帯域は,3.1GHz~5GHz。

 送受信モジュールは台湾Universal Scientific Industrial Co.,Ltd.(USI)が開発した。専用アンテナはFreescale社が開発したという。基調講演で用いたメディア・サーバ機はDVDプレーヤ機能とハード・ディスク装置を備える。なおFreescale社は,最大データ伝送速度を500M~600Mビット/秒まで高めたUWBチップセットを2005年中にもサンプル出荷する予定である。