YOZANは2005年6月17日,ベルネット株式会社(本社:東京都千代田区)との無線IP電話・データ通信網構築での業務提携などを解消すると発表した(PDF形式の発表資料)。無線IP電話・データ通信網での業務提携(2004年12月発表),資本提携(2005年1月発表)に関する基本合意をいずれも解消する。YOZANによれば,解消の理由は,「ベルネットの信用が悪化した」ことが原因という。

 YOZANは,ベルネットに対して,無線通信規格「WiMAX」を一部に利用する定額の公衆無線LANサービス(Tech-On!関連記事)の実現に向けて,C-ASP(Communications ASP)SIP(Session Initiation Protocol)システムの開発を委託していた。ところが,ベルネットのYOZANに対する売掛債権について,ベルネットのほかの債権者に対する債務の支払い遅延により仮差押がなされる,YOZANがベルネットに貸し付けた3億6000万円(担保付)も返済されないなどの出来事が相次いだという。開発を委託していたシステムも,「商用に耐えるだけのものが今日に至るまで提供されない」ため,提携を解消するとYOZANは説明する。

 YOZANは,WiMAX方式による定額通信サービスの今後のスケジュールに修正はないとしている。2005年6月中にWiMAXサービスの実用化に向けたフィールド実験を行い,2005年12月にサービスを開始するという。ベルネットに開発を委託していたシステムは,YOZANがIRIユビテックと共に開発する。