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ルータ/スイッチは数テラ・ビット級の競争に,1筐体の容量でFoundry社がCisco社を抜く

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2005/06/09 15:42
野澤 哲生=日経エレクトロニクス
図1 1台では世界最大の米Foundry Networks社のL3スイッチ(左の筐体)。展示では,640Gビット/秒の容量のストリーミング・データを伝送するデモを実施している。
図1 1台では世界最大の米Foundry Networks社のL3スイッチ(左の筐体)。展示では,640Gビット/秒の容量のストリーミング・データを伝送するデモを実施している。
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図2 米Juniper Networks社の数テラ・ビット級のルーティング・システム。中央の機器に左右の「T640」というL3スイッチを接続して容量を増やす。
図2 米Juniper Networks社の数テラ・ビット級のルーティング・システム。中央の機器に左右の「T640」というL3スイッチを接続して容量を増やす。
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図3 米Cisco Systems社のCRS-1。筐体を多数接続した際の容量では今も世界最大である。
図3 米Cisco Systems社のCRS-1。筐体を多数接続した際の容量では今も世界最大である。
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図4 アラクサラネットワークス製ハイエンド・スイッチ「AX7808S」。2004年10月に発足した日立製作所とNECの合弁会社の初の製品群の1つである。
図4 アラクサラネットワークス製ハイエンド・スイッチ「AX7808S」。2004年10月に発足した日立製作所とNECの合弁会社の初の製品群の1つである。
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 最近のルータ/スイッチ業界では,データ伝送容量が数テラ・ビット/秒と大容量の製品の競争が始まっている。千葉県の幕張メッセで開催中の通信関連の総合展示会「Interop Tokyo 2005」でも,数テラ・ビット級のレイヤー3(L3)スイッチ製品が大手通信機器ベンダー各社から出展されている。1筐体でのデータ処理容量が最も大きいのは,米Foundry Networks,Inc.が2005年5月の「Interop Las Vegas 2005」で発表したL3スイッチ製品「BigIron RX-16」(図1)。送受信の合計で1台1.536T(テラ)ビット/秒のスイッチング容量を備える。2004年5月末に登場した米Cisco Systems,Inc.の「CRS(Carrier Routing System)-1」の同1.2Tビット/秒を上回り,製品としては現時点の世界最大といえる(Tech-On!の関連記事)。

 今回,数テラ・ビット級のL3スイッチ製品を展示したのは,Founry社のほか,Cisco社,米Juniper Networks,Inc.の3社。数テラ・ビットのスイッチング容量実現に向けたアーキテクチャはそれぞれ異なる。

 Foundry社のBigIron RXシリーズは「1台をできるだけ大容量にするタイプ」(同社)。実際,「スイッチ・ファブリック(switch fabric)」と呼ぶボードのデータ処理能力は,3.84Tビット/秒と大きい。「バックプレーンの最大伝送速度はライン・カード1枚当たり100Gビット/秒超で,将来策定される見込みの100Gビット/秒のEthernetにも対応できる」(同社)という。

主流は筐体を増やして大容量化

 Foundry社以外のベンダーは,筐体を数台〜数十台メッシュ状に相互接続してスイッチング容量を増やす方法を採る。Juniper社は今回,L3スイッチ「T640」とスイッチングの集中制御装置「TX Matrix」を組み合わせたシステムを展示した(図2)。T640は,筐体1台のスイッチング容量は640Gビット/秒とテラ・ビットに届かない。しかし,TX Matrixを上位のスイッチ装置として使い,4台のT640をこれに接続することで最大2.56Tビット/秒を実現できる。「設計思想としては,T640をもっと接続してさらに大容量化することもできる。現時点での需要を考えて4台までとなっている」(同社)。

 Cisco社のCRS-1は,1台でのスイッチング容量こそFoundry社に抜かれたが,筐体を数十台相互接続して容量を増やせる(図3)。その場合の容量は,最大92Tビット/秒。これはギネス・ブックの世界記録に認定されており,当面破られそうにない。1ポートで40Gビット/秒のインタフェースを多数利用できるのもまだCRS-1だけである。

 このほか,2005年6月にはカナダNortel Networks,Inc.がスイッチング容量770Gビット/秒のL3スイッチ「ERS(Ethernet Routing Switch)8600」を発表している。これは最大4台の筐体をメッシュ状に相互接続して,2Tビット/秒超の容量を実現する。ただしInterop Tokyo 2005では,この製品の展示はない。

国産ベンダーはエッジ狙い

 一方,国産ベンダーが出展したルータ/スイッチのスイッチング容量は,384Gビット/秒止まりである。日立製作所とNEC,および2社の合弁会社であるアラクサラネットワークスがそれぞれ出展した(Tech-On!の関連記事)(図4)。「海外勢と容量で差があるのは,我々のルータやスイッチがネットワークのエッジを対象にしているため」(アラクサラネットワークス)。「エッジ」とは,バックボーン・ネットワークへの出入り口に当たる部分を指す。通信事業者や大企業のバックボーン・ネットワークでの利用を想定した海外ベンダーの製品と異なり,エッジではテラ・ビット級の容量は当面必要ではないという。「テラ・ビット級製品の日本での市場はまだ小さく,採算が合わない」(同社)。ブロードバンド・サービスの利用者数が急増している日本では,エッジを狙ったほうが市場が大きいという。

 384Gビット/秒という容量は「1台でブロードバンドの加入者を1万人収容することを想定した数字」(同社)という。1人30Mビット/秒のデータ伝送を1万人が同時に行うと300Gビット/秒となる計算である。ただし,必要な容量は今後さらに大きくなる。ブロードバンドの伝送速度は100Mビット/秒を超えて1Gビット/秒に届きつつあるためだ。将来は1加入者当たり10Gビット/秒になる可能性さえある(Tech-On!の関連記事)。仮に1万人の加入者がそれぞれ10Gビット/秒のデータ伝送を同時に行うと,100Tビット/秒の容量が必要となる。これはCisco社の製品でもまだ届いていない。