ルネサス テクノロジは,携帯電話機用のプロセサ「SH-Mobile」向けに,アプリケーション開発用のソフトウエア「Enhanced aacPlusデコードミドルウェア」を開発し,2005年6月7日に提供を始めた。同ソフトウエアを使うことで,音楽配信や映像配信などで配布されたEnhanced aacPlus対応ファイルを再生するアプリケーション・ソフトウエアが開発しやすくなるという。

 Enhanced aacPlusは,日本の地上デジタル放送などで採用される既存の「aacPlus」の後継となるオーディオ符号化技術である。スウェーデンCoding Technologies社とオランダRoyal Philips Electronics社が共同開発したPS (parametric stereo)技術を用いることで,aacPlusに対してさらに圧縮率を向上した。

 enhanced aacPlusに関しては,NECエレクトロニクスが2005年2月開催の「3GSM World Congress 2005」でデモンストレーションを行った(Tech-On!の関連記事)。このときは,伝送速度が24kビット/秒でサンプリング周波数44kHzの楽曲を伝送できることを示した。

 ルネサスは,aacPlusに対応するソフトウエア「aacPlusデコードミドルウェア」を提供してきたが,符号化方式の進化に合わせてEnhanced aacPlusデコードミドルウェアを開発した。aacPlusとの互換性もとっている。