2005年3月に発売した「EOS Kiss Digital N」
2005年3月に発売した「EOS Kiss Digital N」
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 キヤノンは,同社のデジタル一眼レフ・カメラの一部機種で,撮影した画像が消失する不具合があることを明らかにした(ユーザーへの告知)。対策を施したファームウエアを準備次第,配布する。対象となる機種は「EOS-1Ds Mark II」,「EOS-1D Mark II」,「EOS 20D」,「EOS 20Da」,「EOS Kiss Digital N」の5機種である。

 今回明らかになった不具合は2つある。1つは,バッファ・メモリ内に一時格納した画像の消失である。RAW形式とJPEG(高画質)形式を同時に記録する設定で,撮影後にアクセス・ランプが点いた状態でボタンを押すと,カメラが動作を停止すると同時にバッファ・メモリ内の画像が消失する。「EOS-1Ds Mark II」,「EOS-1D Mark II」でこの現象が発生する。

 もう1つは,記録メディアに米Lexar Media, Inc.製の「プロフェッショナルシリーズ80倍速コンパクトフラッシュカード」を使用した場合,CompactFlashカードに保存した画像がまれに消失するというもの。CompactFlashカード中のファームウエアに原因があるという。「キヤノンの特定機種との『相性』の問題であり,他機種ではこの問題は起こらないことを確認している」(Lexar Media社日本法人のレキサー・メディア)。「EOS-1Ds Mark II」, 「EOS-1D Mark II」, 「EOS 20D」, 「EOS 20Da」, 「EOS Kiss Digital N」でこの現象が発生する。米Lexar Media, Inc.は,対策を施したファームウエアを5月末までに用意する。ユーザーに,同社のサポート・センターまでCompactFlashカードを送ってもらい,ファームウエアを書き換える。

 一般に,連射機能などのために高いデータ転送速度が求められるデジタル一眼レフ・カメラでは,CompactFlashカードのIDからカードの製造元と型番を割り出し,そのカードに特化したデータ転送ソフトを実行することがある。ただし,レキサー・メディアによれば,今回の機器とカードの組み合わせでは,IDの判別によるデータ転送速度の高速化はしていないという。