米Microsoft Corp.は，米国時間の2005年5月16日，次世代ゲーム機「Xbox 360」のメディア向け発表会を米ロサンゼルスで開催した。会場では，Xbox 360向けに開発が進むゲーム・タイトルを一気に公開するなど，2005年内の発売に向けて着々と準備を整えていることをアピールした。「Xbox 360はエンターテイメントの歴史上でも，大きな変革点となるデバイス。他社のゲーム機は，我々の足元にも及ばない」とするなど，同様に次世代ゲーム機の発売を予定するソニー・コンピュータエンタテインメントや任天堂への対抗心をむき出しにした。
発表会場では，Xbox 360を壇上の中心に据え置き，その周囲を若者がぐるりと取り囲む格好だった。「プレーヤはいつもステージの中央にいる」という，Xbox 360の名称の由来ともなったコンセプトを示す狙いのようだ。会場にはスクウェア・エニックスや米Electronic Arts Inc.など主要ソフト・メーカーの首脳が登場し，開発中のXbox 360向けゲーム・タイトルを多数公開した。「発売時には，史上最高のラインアップを揃えてみせる」（Microsoft社）というMicrosoft社の強い意気込みを示す格好となった。
Microsoft社はXbox 360によって，ゲーム機のユーザー数をさらに増すことを目指す。「約30年ほど前，テレビ・ゲーム機が世に登場し，家族一緒にゲームをするという文化を生んだ。そしてXboxが登場し，ゲーム機の世界が3次元グラフィックスを多用するものに変貌した。これによってゲーム機のユーザー数は1億人を超えた。Xbox 360の登場で，ゲーム業界はまた新たな時代を迎える。それは3次元グラフィックスの時代から，HD（High Definition）の時代にジャンプアップするということだ。ゲームはHDが当たり前の時代になる。これによってゲーム機のユーザー数はさらに増える。ゲームはいずれ，10億人のメディアに変貌するだろう」（米Microsoft Corp.のCorporate Vice President兼Chief XNA ArchitectのJ Allard氏）。
Microsoft社はゲーム機のユーザーを増やすために，コア・ユーザーの取り込みに加えて，最近ゲーム機から遠ざかってしまったユーザーをもう一度振り返らせることが重要とした。「我々のコアのユーザーは18才～34才の男性。この層のユーザーは非常に大事だが，Xbox 360ではさらに広い年齢層のグループ，マーケットに訴求していきたい。そのためにもっとカジュアルなゲームを増やしたり，オンラインを通じた音楽コンテンツの購入など，より身近な用途をゲーム機の中に取り込んでいく」（Microsoft社）。こうした狙いから，Xbox 360ではオンライン機能の利用を増やすための取り組みを行っていくという。「Xbox 360の50％は，オンライン・サービスであるXbox Liveに接続させたい」（Microsoft社）。
■次世代ゲーム機については日経エレクトロニクス5月23日号 What's Newで詳細をお届けしています。
