メガチップスは,2004年度(2004年4月~2005年3月)の連結決算を発表した(PDFの発表資料)。売上高は対前年同期比16.4%増の301億2200万円,営業利益は同44.0%増の21億7300万円と増収増益。純利益は11億7400万円である。

 好調な業績を牽引したのがLSI事業である。なかでも同社が手掛ける携帯型ゲーム機のゲーム・ソフトウエア格納用ASIC(マスクROM)が好調だった。同分野の売り上げは,対前年度比30%増の約210億3000万円である。しかしLSI事業のもう1つの柱である携帯電話機やデジタル・カメラ向けASSPは伸び悩み,同9.3%減の60億2100万円だった。

 メガチップスは今回発表した中期計画において,このASSP事業を強化する方針を明らかにした。2008年3月期におけるLSI事業とシステム事業を合計した売上高に対するASSPが占める比率を44%に高めるという。今回の決算における同比率は20%にとどまっている。「バランスのとれた売上高比率にして,市況の変化に影響を受けにくい経営体制を築きたい」(メガチップス 代表取締役社長の松岡茂樹氏)。具体的な2008年3月期の売上高の目標としては,ASICの売上高が200億円,ASSPの売上高を250億円とした。

 決算会見では,2005年5月12日に発表した台湾Macronix International Co., Ltd.との提携の狙いについても言及した(PDFの発表資料)。提携の第1の狙いは中国市場の開拓にあるという。Macronix International社の販売網などを活用して中国市場への販売を強化する(Tech-On!の関連記事)。第2の狙いが開発リソースの強化である。Macronix International社は中国にLSIの設計拠点を抱えている。メガチップスの製品を中国市場向けに見直す際,こうした設計拠点のリソースを活用することを検討するとした。

 2006年3月期の業績予想は,連結売上高が対前年度同期比9.9%増の331億円,経常利益が10.7%増の24億円である。

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