東芝は,同社株式の買収提案への対処方針を,2005年5月13日の取締役会において承認した(発表資料)。「昨今,企業買収が活発化しているが,必ずしも株主の利益にならないと思われる買収も増えている」として,いわゆるポイズン・ピル(毒薬条項)を含めた,敵対的企業買収への対策をとりまとめた。

 ポイズン・ピルは,既存の株主に安価で株式を買い増す権利を与えるもので,発動すれば買収者の議決権割合を低下させることができる。2005年4月28日に松下電器産業が,5月12日にイー・アクセスが導入を発表している。

 東芝が今回発表した対処方針では,買収提案があった場合には,東芝の株主や顧客,従業員の利益を害するものでないかどうかなどを検討し,検討の結果次第では対抗措置を講じるとしている。対抗措置には,買収提案者が有する東芝株式の議決権割合を低下させる株式分割や新株予約権発行,新株発行などを含む。買収提案の検討は独立性の高い複数の社外取締役で構成する特別委員会が行うものとし,買収対処法として「客観性が高い」(同社広報)ことが今回の方針の特徴という。