KDDI代表取締役社長の小野寺正氏
KDDI代表取締役社長の小野寺正氏
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au事業の設備投資額の内訳の推移
au事業の設備投資額の内訳の推移
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 KDDIは,2004年度(2004年4月~2005年3月)の連結決算を発表した。携帯電話のau事業が全体の業績を牽引し,営業利益は過去最高の2962億円を計上した。売上高は対前年度比2.6%増の2兆9200億円で,2期連続の増収増益となった。「2005年度もこの好調を継続させる。au事業の契約数としては200万件の純増を確保したい」(KDDI代表取締役社長の小野寺正氏)。

 2005年度の連結決算の見通しについては,売上高が同1.9%増の2兆9760億円,営業利益が同2.4%減の2890億円とした。営業利益が微減となるのは,au事業のARPU(顧客1ユーザー当たりの平均収入)が減少する見込みや,固定通信事業の営業費用を拡大させる計画であるためとした。

営業利益の約9割を担うau事業


 au事業単独の業績は,売上高が対前年度比14%増の2兆927億円,営業利益は同14%増の2139億円である。KDDI全体の業績に対して,売上高は約7割,営業利益は約9割を担っていることになる。au事業は2005年度,設備投資額を同28%増の4400億円に増額する。通話サービス提供地域や,2GHz帯を使う第3世代携帯電話サービスを拡充させるためだ。「ここ1年~2年は,4000億円台の設備投資を続けることになるだろう」(同社の小野寺氏)。

 固定通信事業の売上高は対前年度比4.3%減の5960億円。営業損益は164億円の黒字から3億円の赤字に転落した。高品質IP電話サービス「KDDIメタルプラス」の営業費用がかさんだためである。2006年3月までにメタルプラスの加入数を220万まで引き上げ,固定通信事業の売上高を6120億円に高める計画だ。

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