「0.1mmは譲れない」と宣言する中村社長
「0.1mmは譲れない」と宣言する中村社長
[画像のクリックで拡大表示]

 松下電器産業 社長の中村邦夫氏は,同社の2004年度連結決算の発表会見(Tech-On! 関連記事)で次世代光ディスクの規格統合に関して言及し,「Blu-ray Disc(BD)」と「HD DVD」の統合に前向きであることを明らかにした。ただし,中村氏が統合の条件として挙げたのは,BD規格の肝といえる「0.1mmカバー層方式」。同社はBD対応のレコーダやメディアを発売しており,根幹となる仕様は今さら変更できないという考えだ(Tech-On! 関連記事)。

 松下電器産業はBDの普及を推進する立場。同社が0.1mmカバー層方式にこだわる背景には,既にBD対応機を販売していることのほか,同方式が記録容量確保に有利ということもある。同方式は,厚さ1.1mmの基板上に記録面を設け,厚さ0.1mmの透明樹脂カバーをかぶせた構造。HD DVDに比べ,記録容量に直結する面記録密度を高めやすい。同社が2004年に発売したBDメディアの記録容量は1層で25Gバイト,2層で50Gバイトに達する。

 一方,HD DVDの「0.6mmカバー層方式」のメリットは量産性に優れること。同方式は厚さ0.6mmの基板と透明カバーで記録層を挟む構造。基板の厚さや挟み込む構造がDVDと同じなので,DVDの生産設備が流用できる。