【NAB速報】デジタル・シネマ関係者が一堂に,日本の4Kシネマ上映など報告
NAB2005の初日の2005年4月16日,会場内の会議室で「Digital Cinema Summit」が始まった。同イベントは,映画制作会社の関係者などが一堂に集まり,将来の映画のデジタル化に向けた活動を報告するもので,今年で4回目の開催となる。映像関連の学会Society of Motion Picture and Television Engineers (SMPTE)と,University of Southern CaliforniaのEntertainment Technology Centerが協力している。
製作過程から上映までをすべてデジタル・データで扱うことができるデジタル・シネマについては,映画制作会社などで構成するDigital Cinema Initiative (DCI)が規格を検討し,SMPTEが標準化作業を行うことになっている。Digital Cinema Summitでは,デジタル・シネマ仕様の概略や,JPEG2000など仕様で採用されている技術の解説,各国における取り組み状況が報告された。
デジタル・シネマ仕様を構成する技術の1つとして,セキュリティが紹介された。設計時の考え方が「オープンであること(既存のプロトコル,フォーマット,暗号方式を採用すること)」や「複数の選択肢が存在しない単一規格であること」,「簡潔でありながら信頼性が高いこと」などであることを紹介したほか,暗号化されたコンテンツと暗号鍵を別の経路で送る基本アーキテクチャ,鍵情報を送るためのメッセージ(KDM)などが紹介された。
日本における取り組みとして,NTT未来ねっと研究所の藤井哲郎氏が,「第17回東京国際映画祭」においてデジタル・シネマ化した「失楽園」が上演されたことを報告した。2004年10月に開催された東京国際映画祭では,もともとフィルム製作された同映画を,画素数が4096×2160のいわゆる4K×2K(「4Kデジタルシネマ」とも呼ばれる)のデジタル映像信号に変換して,一般公開した。「映画作品を全編に渡ってデジタル・シネマ仕様にし,一般に公開した例は世界初めて」(藤井氏)という。
藤井氏は,フィルムをスキャンしてデジタル化した手法に加え,オリジナルのフィルムに傷がついていたためにその傷が目立たないように工夫を施してスキャンする必要があったなどの苦労話を紹介した。ハリウッドの大手映画会社では保存用のフィルムを用意しているため,そうした苦労は少なそうだという。













