図1 米Staccato Communications,Inc. President and CEOのRick Kornfeld氏
図1 米Staccato Communications,Inc. President and CEOのRick Kornfeld氏
[画像のクリックで拡大表示]
図2 IDF Japanで公開したWireless USBのRFボード(上)。RFボード上に搭載されている物理層LSIは,パッケージされておらず,寸法がおよそ6mm×7mmのベア・チップを樹脂で固めていた(下)。
図2 IDF Japanで公開したWireless USBのRFボード(上)。RFボード上に搭載されている物理層LSIは,パッケージされておらず,寸法がおよそ6mm×7mmのベア・チップを樹脂で固めていた(下)。
[画像のクリックで拡大表示]

 米Staccato Communications,Inc.は,現時点で唯一UWBの物理層LSIをCMOS技術で開発発表した半導体メーカーである(Tech-On!の関連記事1,図1)。2005年4月に開催された米Intel Corp.の「インテル・デベロッパ・フォーラム(IDF) Japan 2005」では,同社が富士通の半導体生産設備を利用して製造した同LSIを公開し,デジタル・カメラのプラットフォームに搭載して映像の伝送デモを披露した(Tech-On!の関連記事2,図2)。同社President and CEOのRick Kornfeld氏に,CMOSチップの特徴や想定する用途を聞いた。

——Staccato社の物理層LSIの特徴は何か。

Kornfeld氏 0.11μmルールのオールCMOS技術を採用したため,パッケージ・サイズは1cm角と小さく,消費電力も非常に小さい点だ。消費電力は利用する状況に応じて大きく違うこともあり具体的な数字は明かせないが,Bluetoothとほぼ同じだ。場合によっては,Bluetoothよりも小さくなる。CMOSチップは,コストの点でも非常に安くできる。

——今回の富士通とのデモでは,MAC回路にFPGAを使っていたが,MAC回路のLSIは何時できるのか。

Kornfeld氏 2005年の第3四半期にサンプル出荷を予定している。MAC回路単体のLSIと,MAC回路と物理層回路を1チップに集積したLSIの2種類を用意する。製造にはすべてCMOS技術を利用する。チップセットだけでなく,MACのドライバ用ソフトウエアも提供する。2005年末~2006年明けには量産する予定だ。

——サイズを1cm角にまで小さくしたのはなぜか。どのような機器への搭載を想定しているのか。

Kornfeld氏 今回デモを行ったデジタル・カメラや携帯電話機,WirelessUSBのドングルなどだ。こうした機器では,チップセットのサイズが十分小さくないといけない。