日本ビクターが発売する画素型リアプロ
日本ビクターが発売する画素型リアプロ
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日本でも大画面市場が拡大すると踏む
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奥行きは61インチ型が47cm,52インチ型が41.2mm
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搭載する反射型液晶パネル「D−ILA」
搭載する反射型液晶パネル「D−ILA」
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PDPテレビと消費電力を比較
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 日本ビクターは,画素型の背面投射型プロジェクタ(リアプロ)を2005年5月に国内で発売する(ニュース・リリース)。61インチ型と52インチ型の2機種で,希望小売価格はそれぞれ78万7500円,68万2500円である。表示素子には,同社が開発する反射型液晶パネル「D−ILA」を利用した。画素数は1280×720。

 日本ビクターはこれまで北米市場向けに画素型リアプロを販売していたが,国内市場への投入は今回が初めて。同社は国内発売に踏み切った理由ついて「日本では,放送もパッケージ・メディアも着実にアナログからデジタルに変わりつつあり,より大画面でキレイな映像を見たいという需要が高まっている。国内におけるPDPテレビの需要予測を分析しても,50インチ型以上の大画面製品の伸びが大きく見込まれている。国内でも大画面市場の可能性は十分にあり,その市場を取りにいく」(専務取締役の土屋栄一氏)と説明する。

 国内の画素型リアプロ市場ではここ1年の間に,ソニーが新機種を発売した(Tech−On!関連記事1)ほか,セイコーエプソンや三洋電機,三菱電機なども市場参入(Tech−On!関連記事2)するなど,大画面市場を狙った動きが活発化している。

「20%売価が下がっても十分に対応できる」

 薄型テレビ市場は,製品価格の急激な下落が進んでいる。この点について日本ビクターは「当初の売価から20%程度下落しても十分に対応できる」(同社の土屋氏)と,コスト対応力を強調した。

 日本ビクターは,2005年度の国内における画素型リアプロの販売台数を2万台と見込む。さらに北米では26万台,その他地域で2万台と,全世界では30万台と見積もる。これに合わせて,反射型液晶パネル「D−ILA」の生産能力を2005年6月にかけて月産1万台から3万台に引き上げる。設備投資額は約40億円という。

「消費電力はPDP/液晶テレビより低い」

 今回の製品発表会で日本ビクターは,画素型リアプロの消費電力の低さについてアピールした。61インチ型,52インチ型いずれも消費電力は198W(輝度は61インチ型が500cd/m2,52インチ型が700cd/m2)。薄型テレビの消費電力については今,テレビ・メーカー各社が消費者に訴求するポイントして着目している(Tech−On!関連記事3)。発表会に併設した展示ブースでは,消費電力の表示計を取り付けた画素型リアプロとPDPテレビを並べ,同じ映像を流しながら消費電力を比較していた(写真を参照)。