DaimlerChrysler社はEVS21の会場で、米国でフリートテスト(実走行試験)を予定している「Mercedes-Benz Sprinter」のハイブリッド車を展示した。この車両は、CDIディーゼルエンジンと5速自動変速機の間に、クラッチを介してモータを取り付けたもの。2006年末までに40台のフリートテストを予定している。

図1◎DaimlerChryslerの「Sprinter Hybrid」。ベース車両は商用車の「Sprinter 311 CDI」で、車両重量は1960kg。

 エンジンはCDIディーゼルエンジンで、最高出力80kW(109hp)/3800rpm、最大トルクは270N・m/1400-2200rpm。一方のモータは最高出力が70kW以上、最大トルクが275N・m/0-2200rpmとなっている。

 発進および停止時にエンジンを停止し、30km/hまではモータで走行できるため、燃費の向上が見込め、走行状態にもよるが10~50%の改善効果があるとする。エンジン走行中は常にモータが発電機として働き、回生したエネルギも利用してモータ走行時の電力を蓄える。

 特に市街地においては完全にモータ走行となり排ガスの排出がなく、エンジンも搭載するため走行範囲の制限も少ない。ただし、スロットルペダルを深く踏み込んだときには、エンジンとモータの両方を使って走行する。急な加速が必要なときや、上り坂などではこのモードとなる。