異なるDRM(digital rights management)技術同士の互換運用を目指す米Coral Consortium Corp.は「Coral Consortium Ver. 1.0」をリリースした。2005年3月30日から4月1日まで開催された「Digital Hollywood」で行われたパネル討論会でCoral Consortiumの中核企業であるIntertrust社CEOのTalal Shamoon氏が明らかにした。この仕様書を手に入れるには,Coral社とライセンス契約を結ぶ必要がある(ライセンス情報サイト)。Coral社には,米Intertrust Technologies Corp.や松下電器産業,米NBC Universal, Inc.,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.,ソニー,米Twentieth Century Fox Film Corp.などが参加している。

 Digital Hollywoodのパネル討論会では,コンテンツ業界の代表がDRM技術の互換性を実現する必要性を積極的にアピールした。米Sony Pictures Entertainment社のTechnology担当Senior Vice PresidentであるBrian Lakamp氏は「異なる技術に基づくDRMを施したメディアを購入した消費者は,それを再生するのに異なる体験をすることになり,望ましくない状況」という。米Fox GroupのContent Protection担当Senior Vice PresidentのRon Wheeler氏も同意した。「海賊版メディアに勝つためには,DRMの互換性は重要だ。各DRM技術について最低限の動作を定めて相互運用できる標準があれば,我々は互換性のあるDRM技術に基づくコンテンツを出す」という。

 別のインタービューで米ContentGuard, Inc.のSales & Marketing担当DirectorであるRaj Samtani氏は,DRMの互換技術を推進するためには,互換性を持たないDRMの問題点を消費者に喚起することが重要だと主張する。「独自のDRM技術に基づくメディアを販売する事業者が破産すれば,場合によっては消費者はそのメディアを再生できなくなる可能性がある」と指摘する。