ドイツVolkswagen社は2005年4月3日、EVS21の試乗会場で開発中のディーゼルハイブリッド車「Golf TDI Hybrid」のデモ走行を行った。同社のハイブリッド車は、1つのモータをエンジンと組み合わせて、発進やエネルギ回生などあらゆる条件の走行を可能にするという点が特徴である。

図1◎Volkswagenのディーゼルハイブリッド車「Golf TDI Hybrid」。

 組み合わせるエンジンはガソリンでもディーゼルでもどちらでもよいということだが、今回展示した車両は排気量1.4Lの3気筒ターボ付きディーゼルを使用していた。パワートレーンのレイアウトは、エンジンと6速自動MT「DSG」の間に、クラッチ付きのモータを挟みこんだもの。

 エンジンとモータの間にあるクラッチは、油圧の電子制御により作動するドライクラッチで、必要に応じてこのクラッチをオフすることで、エンジンなしのモータ走行を実現する。モータの出力は15kWで、エンジン出力の85kW(114hp)と組み合わせることで、190km/h以上の最高速と0-100km/hまで11秒程度の加速が可能という。

 実際、エンジンとモータを組み合わせた最大トルクは、2500rpmで300N・mと通常の1.9L過給付きディーゼルエンジンの250N・m弱を大幅に上回っている。バッテリはNi-MH(ニッケル水素)電池で、出力電圧は144V、電池容量は0.9kWhである。