DVR-555H
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「快速ディスクナビ」を搭載
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「気がきくナビ」
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 パイオニアは最大書き込み速度が12倍速の記録型DVD装置を搭載したDVDレコーダ「DVR-530H」と「DVR-555H」を発売する。平均符号化データ速度が0.75Mビット/秒の「MN1」モードでハード・ディスク装置(HDD)に録画した1時間番組なら,最短でわずか約40秒でDVD-R媒体にダビングできる。これまでのDVDレコーダは,最速でも8倍速の記録型DVD装置の採用にとどまっていた。

 HDDの記録容量はDVR-530Hが200Gバイト,同555Hが250Gバイト。価格はオープンだが,それぞれ7万円前後,8万円前後を見込む。発売は順に2005年5月上旬,同年6月上旬を予定する。

記録速度の上限値に近づく

 AV機器メーカーは,HDD内蔵型のDVDレコーダのダビング時間の短縮で激しく競い合っている。利便性は高いが容量制限のあるHDDと,媒体交換は必要な代わりにコンテンツの保管などに向くDVDの補完関係をうまく機能させるためである(日経エレクトロニクス誌の関連記事)。DVDへのダビングに時間がかかり過ぎて多くのユーザーが敬遠し始めると,HDDの容量不足が顕在化し,ユーザーが録画した番組を泣く泣く消去,空いた部分に新たに録画してもすぐにHDDが一杯になるという「あまり便利でない道具」になってしまうからだ。

 12倍速機を使えば,容量4.7Gバイトの記録型DVD媒体への書き込み時間を7分ほどに短縮できる。パソコン用の記録型DVD装置では,DVDにおける書き込み速度の上限値といわれる16倍速機も登場しているものの,12倍速と16倍速を比べたとき,ディスク全面に記録する時間はほとんど変わらない。最大速度で書き込めるのはディスクの外周部に限られているためである。8倍速機では8分程度,16倍速機では6分程度である。8倍速以降は大幅なダビング時間の短縮を望めないにもかかわらず,騒音対策や振動対策は急激に難しくなってくる。こうした事情から,記録型DVD装置の書き込み速度の向上でDVDレコーダのダビング時間を短くする競争は終盤を迎えているといえよう。

 なお,今回のレコーダは業界で初めて片面2層8.5GバイトのDVD-Rディスクへの記録にも対応する。この媒体を使った場合,前述のMN1モードで最長24時間の録画を実現できる。

高速スクロールを実現

 ダビングだけでなく,コンテンツ選択などの操作性も改善した。東京大学先端科学技術研究センターとの産学共同プロジェクトの一環という。同センターは今回,操作画面のデザインなどを担当した。例えば録画コンテンツを一覧表示する「ディスクナビ」では,同時表示するタイトルの数を4つまたは8つに切り替えたり,録画日時やタイトル名などを基準に表示順序を入れ替えたりすることができる。基本操作は十字キーで,スクロール時の描画速度も向上させた。このほか,操作に迷ったときにヒントを表示する「気がきくナビ」機能を搭載した。