フロンティアカーボン,C60を3時間で大量に単離できる新手法を開発
炭素フラーレンは,最初の合成時,C60に加えてそれよりも分子量の大きい高次フラーレンが同時にできる。FCCは,有機溶媒に混合フラーレンが溶けた溶液にDBUと呼ぶアミンを添加すると,時間の経過によってC86,C84,C82,C78,C76,C70と,分子量の大きな高次フラーレンから順番にアミンとの錯体になって沈殿する性質を見つけた。反応条件をコントロールするで,最後にC70を錯体化して最終的にC60だけを溶媒中に残す(写真,図)ことに成功した。
現在,同社が販売しているフラーレンの1g当たりの価格は,C60とC70の混合フラーレンが500円だが,単離に手間のかかるC60は6倍の3000円だった。新しい単離法により,C60の販売価格は相当に下がり,様々な産業分野への適用研究に拍車がかかる可能性がある。今回の成果についてFCCは,3月26日から29日の3日間,神奈川大学 横浜キャンパス(横浜市)で開催される日本化学会の第85春季年会で発表する。(黒川 卓)

【写真】左から,混合フラーレン,DBU添加2時間後,6時間後の純水なC60溶液。C60を単離するまでの時間は反応条件によってコントロールでき,これまでに最短で3時間で単離させた

【図】高次のフラーレンから次々と錯体化し,最後にC70が錯体化して溶液中にC60だけが残る時の化学反応式
















