米国で人気の「American Idol」といったテレビ番組の制作を手がける英FremantleMedia Ltd.は，米Mobliss, Inc.と協力して，Mobliss社が始める携帯電話機向け映像エンターテインメント・サービス「Thumbdance」（図1）の番組拡充を進めていく方針を明らかとした。Mobiliss社は，インデックスの子会社で，北米大手通信事業者を通じてコンテンツ配信などを行っている。同社に，FremantleMedia社の米国事業部であるFremantleMedia Licensing Americasが協力する。「2008年には携帯電話機向けのコンテンツ市場は80億米ドルに成長すると予測されている。この市場に向けて，Thumbdanceを米HBO社のようなコンテンツ・チャンネルに成長させたい」とFremantleMedia社のInteractive担当DirectorであるJason Turner氏が語る。
Thumbdanceの提供は，Mobliss社が2005年1月１９日に発表した（発表資料その１）。2005年3月11日には，Mobliss社とFremantleMedia社がThumbdance向けに独自コンテンツを提供すると発表している（発表資料その２）。「半年前に英国で，携帯電話向けにコンテンツを流すことを始めたが，それは既存のテレビ番組を携帯電話機向けに編集したものだった。しかし，Thumbdanceでは既存のコンテンツに加えて，携帯電話機向けのオリジナル番組を制作することを決めた」（FremantleMedia社のTurner氏）。
Thumbdanceは，第3世代（3G）携帯電話網を使って，ストリーミング形式で映像コンテンツを提供する。ユーザーは，月額使用料として７米ドルあるいは8米ドルを支払う。あるいは約1米ドルを支払うことで，オンデマンド形式でコンテンツを楽しめるようになる。Mobliss社によると携帯電話事業者のパートナーとなる2社をまもなく発表する予定。サービスを60日間以内に開始する。Thumbdanceに番組を提供するコンテンツ・パートナーとしては，FremantleMedia社以外にスポーツ動画コンテンツを配信するAlly Distribution社や「Weekend Vibe」という番組を運営しているThe Heritage Network社，インターネット上で時間の短い動画コンテンツを配信する米IFILM Corp.，パロディ系のコンテンツを制作する米JibJab Media Inc.の4社がこれまで発表されている。
