図1 「PMP-1200」のメニュー画面。動画再生などの機能のアイコンを選択する。
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 「携帯型MP3プレーヤの進化形を求める動きが間違いなく到来する」(NEXX 代表取締役社長の由利義和氏)──。こうした動きを見据え,NEXXが携帯型ビデオ・プレーヤ「PMP-1200」を発表した(発表資料)。320×240画素の3.5インチ型カラーTFT液晶パネル(26万色表示)を搭載し,MPEG-1,MPEG-2,MPEG-4,DivX,XviDの各形式の動画ファイルを再生可能。このほか,MP3形式などの音声ファイル再生,JPEG形式の静止画閲覧,FMラジオ放送の受信などの機能を備える。記録媒体には,東芝製の1.8インチ型ハード・ディスク装置を採用した。記録容量は20Gバイトである。製造は韓国の企業に委託し,2005年3月31日に出荷を開始する。

 米Sigma Designs, Inc.が携帯機器に向けて開発した低消費電力型メディア・プロセサ「EM8510ファミリ」(Tech-On!の関連記事)の1品種を採用した。最大720×480画素で30フレーム/秒の動画ファイルを復号化できる。標準搭載する電流容量2700mAhのLiポリマー2次電池を使用した場合,動画の連続再生時間は約6時間,液晶モニタをOFFにした場合の音声の連続再生時間は約10時間である。このプロセサに集積した32ビットRISC型CPUコアの上で,Linuxベースの独自OSを動かす。発表会で見せた試作機の起動時間を測ったところ,12秒~13秒程度だった。

パソコンと同様の操作感に

 PMP-1200をUSB 2.0インタフェースでパソコンと接続すると,パソコンはPMP-1200を外付けHDDとして認識する。専用のデータ転送ソフトは不要で,ユーザーはパソコン内のファイルをPMP-1200の任意のディレクトリにコピーすれば良い。DRM(デジタル著作権管理)の仕組みは盛り込んでおらず,今後検討していくとした。

 動画や音声のファイル管理は,ディレクトリとファイル名で行う。メタデータによるファイルの抽出やソートといった機能は持たない。「PMP-1200は主に動画ファイルの再生を想定しているが,動画ファイルのメタデータは標準形式が決まっていない。独自の形式を作るより,パソコンと同様の操作感を持たせた方が,ユーザーにとって使いやすくなると考えた」(NEXX)。タッチ・パネル機能を搭載し,筐体の背面に収納可能なスタイラス・ペンによる操作を標準とした。

 PMP-1200の外形寸法は123mm×76.8mm×21.5mm。「胸ポケットに入る大きさに収めたかった」(NEXX)とする。質量は,標準搭載の2次電池を搭載した状態で246g。量販店や通信販売サイトを通じた間接販売と,NEXXのWWWサイトでの直接販売で提供する。直販時の価格は5万7750円。

図2 スタイラス・ペンによる操作を標準とする。
図2 スタイラス・ペンによる操作を標準とする。
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図3 動画ファイル再生時の画面。上部の操作バーは一定時間経過すると非表示になる。
図3 動画ファイル再生時の画面。上部の操作バーは一定時間経過すると非表示になる。
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図4 ファイル選択時の画面。ディレクトリとファイル名でファイルを管理する。
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図5 音声ファイル再生時の画面。
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図6 Liポリマー型2次電池(写真右)は取り外し可能。電流容量が5400mAhと2倍の大容量型2次電池を別売りで提供する。大容量型は厚さが標準型の2倍近くになる。
図6 Liポリマー型2次電池(写真右)は取り外し可能。電流容量が5400mAhと2倍の大容量型2次電池を別売りで提供する。大容量型は厚さが標準型の2倍近くになる。
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