今回出展したPLCモデムの試作機
今回出展したPLCモデムの試作機
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実演の様子。電力線を介してテレビ受像機に映像を配信するデモを見せた
実演の様子。電力線を介してテレビ受像機に映像を配信するデモを見せた
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 三菱電機はCeBIT 2005において,家庭向けの電力線通信(PLC)モデムの試作機を初出展した。PLCについては,総務省が家庭内など屋内のLAN利用に限った規制緩和を検討中で,早ければ2005年度末にもモデムを日本で利用できるようになる見込み(Tech-On!関連記事1)。こうした状況を受けて同社は,規制緩和の時期に合わせた製品化を狙っている(同関連記事2)。モデムの価格については,広く普及させるために「1台5000円程度を目指す」(同社の説明員)という。

 今回出展した試作機の最大データ伝送速度は170Mビット/秒。外形寸法はまだ大きいが,製品化時には手のひらに収まる程度に小型化したいという。なお,心臓部である送受信回路基板は今回,松下電器産業が提供した。松下電器は2005年1月に米国ラスベガスで開催された「2005 International CES」においてPLCモデムの伝送を実演しているが,三菱電機の試作機もこのときに利用した送受信回路を内蔵するという。三菱電機は松下電器産業,ソニーと3社でPLCの相互接続を可能にするためのアライアンス「CE-Powerline Communication Alliance:CEPCA」を旗揚げしており(Tech-On!関連記事),協力関係がある。ただし,最終製品にどのメーカーの送受信LSIを利用するか,チップの形態で供給を受けるか,回路基板かを含めて詳細は検討中である。