容量3Gバイトのハード・ディスク装置を内蔵する。従来の1.5Gバイト搭載品に比べて「小さい」というのが第一印象である。
容量3Gバイトのハード・ディスク装置を内蔵する。従来の1.5Gバイト搭載品に比べて「小さい」というのが第一印象である。
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1.5GバイトのHDDを搭載した従来品「SPH-V5400」である。筐体は折り畳み型だった。
1.5GバイトのHDDを搭載した従来品「SPH-V5400」である。筐体は折り畳み型だった。
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ポケットに入れたまま操作ができるように,側面に「再生・停止ボタン」などを備えている。
ポケットに入れたまま操作ができるように,側面に「再生・停止ボタン」などを備えている。
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ハード・ディスク装置に格納した音楽データを,携帯電話機のディスプレイに表示して選曲している様子。
ハード・ディスク装置に格納した音楽データを,携帯電話機のディスプレイに表示して選曲している様子。
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 「大容量の記録媒体への要求が強く,製品化に踏み切る」(展示説明員)——。韓国Samsung Electronics社は,容量3Gバイトのハード・ディスク装置(HDD)を搭載した携帯電話機「SGH-i300」をCeBIT 2005に出展した。GSM/GPRS方式の携帯電話サービスに対応したもので,2005年第3四半期に欧州市場で製品化する。主に携帯型音楽プレーヤとして使うことを想定するという。同社はこれまでにも1.5GバイトのHDDを搭載した品種「SPH-V5400」を,2004年9月に製品化している。ただしCDMA2000方式に対応し,韓国で少量が出荷されるにとどまっていた。

 今回披露したHDDケータイの外観上の大きな特徴は,ストレート型の筐体を採用したこと。従来品の筐体は折り畳み型だった。「小型化を図るためにキャンディ・バー(ストレート型)に変更した」(Samsung Electronics社の担当者)とする。従来品の外形寸法が約90mm×54mm×32mm(注:本誌記者が計測)であるのに対し,開発品は約117mm×48mm×20mm(注:本誌記者が計測)とグッと薄く・小さくなった。内蔵するHDDは従来品と同様,1インチ型だという。HDDの製造元は,未公表とした。

ウオークマン・ケータイに対抗心

 今回のCeBITには,音楽再生機能を備えた携帯電話機が多数出展されている。ただしその大半は,音楽データの蓄積に小型メモリ・カードを利用したものだ。例えば英Sony Ericsson Mobile Communications社が出展した「Walkman(ウォークマン)」のブランド名を冠した携帯電話機「W800」では,「メモリースティックDuo」を採用する(Tech-On!の関連記事1同関連記事2)。こうした動きに対してSamsung社は「容量と価格の点ではHDDが有利」と語る。現在,店頭に並ぶメモリースティックDuoは最大512Mバイト品にとどまっている。春先から順次,1Gバイト品と2Gバイト品の出荷が始まる予定だが,今回の開発品の容量3Gバイトには届かない。さらに容量当たりの価格は,フラッシュEEPROMを使う小型メモリ・カードの方がHDDを上回るとされる。

 音楽プレーヤとして使う場合,4時間~5時間の連続再生できる。オーディオ符号化方式はMP3とWMA,AAC,AAC+に対応する。音楽プレーヤのほか,MPEG-4やH.264に対応するビデオ・プレーヤとしても使える。搭載するOSは「Windows Mobile OS」である。


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